E2(エストラジオール)が高値の方の鍼灸治療 着床の窓を開く!!

多くの不妊症患者様を鍼灸治療してきた結果、ある一定の条件に当てはまる場合、生理3日目にE2の値が高い状態から、ほぼ正常値に戻すことが出来るようになりました。

E2(エストラジオール)とは

卵巣から分泌されるホルモンの一種、卵胞ホルモン(エストロゲン)のことです。月経の終わりごろから排卵前にかけて分泌が高まります。主なはたらきは、卵巣、子宮、腟など女性生殖器の発育を促すこと。月経時の子宮内膜もこの働きによって厚みを増します。
また、精子が通り易いよう子宮頚管粘膜を分泌したり、コレステロールを抑え、肌の新陳代謝を促す作用もあります。

E2(エストラジオール)とは イメージ

排卵前にE2の数値を調べる事で、おおよその排卵日の予想がつきます。
排卵後のE2値からは、卵子の成熟度を間接的に読みとることができます。ただし卵子が複数の場合には、正確な指標として読みとれない場合もあります。
排卵誘発剤を用いた刺激周期にはE2の値が上がりますが、一定値を超えるとOHSS(卵巣過剰刺激症候群)の危険性が高まります。

→ E2が正常値にあってほしい理由「着床の窓を開く」

排卵から5~6日後の着床前、子宮内膜の表面には、太くて長い絨毛(じゅうもう)と多くの分泌物を含む顆粒が存在します。
着床日には絨毛は短くなり、ピノポード(pinopodes)とよばれる表面構造が、子宮内膜の表面に現れてきます。
このピノポードが現れる時期をinplanation window「着床の窓」と呼び、子宮内膜が胚を受け入れる準備が出来ている状態です。
この着床の窓が開かれている状態は、排卵後5~8日と限定されています。

排卵後8日には、ピノポードは消失し、implanation window「着床の窓」は閉じてしまい、胚の子宮内膜への接着、侵入は不可能になってしまいます。
このピノポード「着床の窓」が正常に開かれるために、増殖期(D3)つまり生理3日目のE2が正常値である事が重要になってくるのです。

→ E2の値が高くなる理由

E2の値が高くなる理由として、以下のような場合が考えられます。

1.副腎皮質過形成症候群
2.肝硬変
3.エストロゲン産生腫瘍
4.卵巣機能障害


当院ではこの中でも、2つ目の「肝硬変が原因のE2高値」に着目しました。
そもそも肝臓の役割として、女性ホルモンを分解し代謝する働きがあります。
血液中にあるいらなくなった女性ホルモンは肝臓で代謝を受け不活性化されて体外に排出されるのですが、何らかの不具合で肝臓が能力を100パーセント発揮できないときにホルモンの分解が出来ず、E2が血液中に残ってしまうのです。
肝硬変はいずれ肝癌に発展してしまうような状態です。肝硬変の状態では肝臓機能はかなり低下していると考えられます。
また、肝硬変まで進行していなくても肝臓の働きが弱っている方が非常に多いのです。

つまり「ある一定の条件に当てはまる場合」とは、
「肝硬変、肝機能低下により生理3日目のE2値が高くなっている場合」
ということなのです。

ではどのような方が、この条件に当てはまるのか。
チェックリストを作成しましたので、生理3日目のE2値が高い方はぜひチェックしてみてください。

→ 肝機能チェック

【肝機能チェックリスト】

1.低血圧
低血圧の方は、肝臓に出入りする肝門脈の血流が悪くなり、肝臓に十分な血液が流れなくなります。
2.右肩、右くび、右の背中、特に右の肩甲骨の下辺りがいつも凝っている
肝臓は右にあるため、肝臓自体が働きが弱いと右に症状が出ます。
3.痔疾患にかかった事のある
痔核がある、切れ痔、痔ろう、硬い便で出血しやすいなど。
肝臓と肛門周辺は肝門脈と言う血液循環の流れがあります。肝臓の働きが低下し循環が悪くなると肛門周辺の血流も悪くなり、痔になりやすくなります。
4.胃の具合が悪くなりやすい
胃が重い、みぞおちが重い、食欲が無い。
5.全身倦怠
6.目のかすみ
東洋医学では、目は肝臓が司っています。

当てはまる項目があるようなら、肝臓に何らかの不具合がある可能性があります。
このような状態の場合、肝臓の機能が100パーセント発揮されず、女性ホルモンが分解できないため血液中に残存してしまうことになります。肝機能低下が原因で、E2の値が下がらなくなっている可能性があるのです。

病院などでは、E2の値が高い場合、「卵巣機能不全」「排卵誘発後の残存卵胞が原因では無いか」と説明を受けるケースが多く、E2値を下げるための積極的な治療は行われていないようです。
鍼灸治療を取り入れれば、体に負担をかけることなくE2の値を下げることが出来ます。しかも非常に短期間で結果が得られます。

→ 肝機能改善によりE2(D3)値改善の症例

患者様は20代。
FSH、LHは正常範囲、E2が(D3=生理3日目)で90以上。過去HMGにて排卵誘発以降、E2が高めになっている。
当院での治療回数8回(期間は一ヶ月)の後、病院での血液検査(D3)でE2が正常値になる。

FSH、LHが正常範囲であったので、卵巣機能は正常と判断する。肝機能低下の症状が明確に出ていた為、肝機能を高める鍼灸治療をほどこす。特に背部の肝臓の裏辺りの反応点は、毎回の治療ごとに和らぐのを実感していただけた。

この患者様以外にも、同じようにFSH、LHが正常でE2(D3)が高値の方は、この治療でD3(生理3日目)のE2を正常値に戻すことができました。