不育症(習慣性流産、反復性流産)の鍼灸治療

→ 不妊鍼灸治療の開始から妊娠へ

2012年4月、数回IVFを試みたものの不成功に終わり、鍼灸治療を取り入れる事を決意された患者さんに来院いただきました。
下垂体に先天的に良性の腫瘍があり、LHがやや高め、多嚢胞性卵巣ぎみという状態でした。
当院での初診から2ヶ月弱の治療でIVFにて妊娠が確認されました。

黄体形成ホルモン(Luteinizing hormone, LH)とは

黄体形成ホルモン(LH)は脳下垂体前葉から分泌されるホルモン。排卵直前になるとLHが大量分泌されることを「LHサージ」といいます。
LHサージの24~36時間後に排卵が起こります。 LHは成熟した卵胞に対して排卵を促し、排卵後の卵胞に対して黄体化を促す作用を持っています。
LHの正常値は性成熟期で3~10mIU/mlですが、更年期に近づきエストロゲンが減少するとLHが増加します。このため、LHの値が高い場合は卵巣の障害(卵巣機能不全や早発閉経など)が考えられます。

IVF(In Vitro Fertilization)とは

体外受精。排卵近くまで成長した卵子を取り出し、精子と接触させて受精させます。 受精し分裂した卵(胚)を子宮内にもどす胚移植(Embryo Transfer)を含めて体外受精・胚移植(IVF-ET)といいます。

多嚢胞性卵巣(PCO)とは

多嚢胞性卵巣(polycystic ovary)は、通常月に1つずつ成熟する卵胞が卵巣内にいくつもできてしまい、排卵が起こりにくくなる疾患。

→ 妊娠の継続

妊娠5週目の時に出血があり、病院で「おそらくこのまま流産するでしょう」という診断を受けたとご報告いただきました。

人迎(じんげい)は、のどぼとけの両脇、指で触ると脈を感じるあたり。
人迎(じんげい)
「流産だけは避けたい」という思いで再度診察をしてみるとわずかながら甲状腺に異常が確認されました。
甲状腺の異常は東洋医学では「人迎(じんげい)」というツボを触診し、痛みがあるか確認します。この方の場合、病院の血液検査では甲状腺の血液検査は問題無しという結果でしたが、検査結果に表れるほどではないものの、少し状態が悪くなっていたのです。
この日から週に二回、甲状腺の機能を安定させるために人迎の痛みを取り除くような鍼灸治療を施しました。

この治療の結果、2012年8月妊娠継続中です。
病院の医師もびっくりしているそうです。甲状腺の治療をしなかったら流産という結果だったかもしれません。

ひとまず妊娠初期流産は回避できました。 このまま、安定期に入るまでは注意しながら体調を管理していかなければなりません。

→ 甲状腺と流産

甲状腺の異常は機能亢進、低下どちらでも流産の可能性があり注意が必要です。
病院の検査項目では、FreeT3FreeT4TSHというところが甲状腺の項目です。
当院に来院される習慣性流産の方ではほぼ100パーセントの割合で甲状腺に何らかの異常を抱えています。しかし、病院の血液検査では正常値の値の場合が多いのです。

習慣性流産でお悩みの方は、西洋医学的でいうところの以下の項目の状態を確実に診察し、現在どのレベルにいるのか見極める事が重要です。

  • 甲状腺
  • 血糖値
  • プロラクチン
  • 黄体機能
  • 染色体異常
  • 血液凝固因子
  • 感染症
  • 免疫学的異常
  • 子宮形態

多くの不育症の方を治療してきた経験から、甲状腺血糖値プロラクチン染色体異常 などの異常を鍼灸治療で改善する事により、習慣性流産は食い止められると考えています。
習慣性流産でお悩みの方に、鍼灸治療は間違いなく効果があります。

冷えや、肩こりといった種々の症状まで改善されますので、一石二鳥いや、三鳥になると思います。