多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の鍼灸治療

→ 多嚢胞卵巣症候群(PCOS)

多嚢胞卵巣症候群(PCOS)で来院される患者さんが増えています。
ほとんどの方が無月経・希発月経で、排卵障害を訴えて来院されます。
そもそも、PCOSは原因が特定されていません。 このため、西洋医学的な治療ではインスリン抵抗性を改善する薬を処方され、経過をみる程度です。効いているのか、いないのか分からないまま服用を続けている方が多いのではないでしょうか。
「排卵障害をなんとか乗り越えて、卵を育てて排卵まで行きたい!」というのが患者さんの切実な思いです。

多嚢胞卵巣症候群(PCOS)とは

通常月に1つずつ成熟する卵胞が卵巣内にいくつもできてしまい、排卵が起こりにくくなった状態を多嚢胞性卵巣といいます。 月経異常を起こしやすく、多毛、肥満、卵巣の腫大などを伴う場合「症候群」をつけ多嚢胞性卵巣症候群と呼ばれます。

→ 多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の症状

  1. 卵巣は大きくなり表面の皮が厚くなる。排卵がおこりにくく、月経不順や無月経の方が多い
  2. 卵胞中で男性ホルモンが作られるため血中の男性ホルモンが上昇。月経不順の原因となり、毛深くなったり声が低くなることもある
  3. インスリンの過剰泌量や分泌されたインスリンが正常に働かなくなるため体重が増えやすい
  4. 黄体ホルモン分泌不全から月経過多や出血がとまらないなどの症状

→ 多嚢胞卵巣症候群(PCOS)の鍼灸治療

PCOSの患者さんを東洋医学的に診察していくと、ほぼ全員に共通していることが2点あります。

  • 下垂体の異常
  • 身体が糖質の取り過ぎを示している

この二点に着目して鍼灸治療を進めていくと、排卵障害が少しずつ良くなってくるのです。

下垂体から分泌されるLH(黄体形成ホルモン)は排卵を引き起こし、黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌を促します。
黄体ホルモンは子宮内膜を成熟させる働きを担っています。

名称 分泌元 主な働き
LH
(黄体形成ホルモン)
下垂体
  • 排卵を引き起す
  • 黄体ホルモン(プロゲステロン)
    の分泌を促す
黄体ホルモン
(プロゲステロン)
卵巣
  • 子宮内膜の厚さを維持して
    着床しやすい状態をつくる
  • 妊娠後の胎盤の状態を安定させる
  • 基礎体温を上げる

下垂体の異常を治療することでLH(黄体形成ホルモン)が正常に分泌されれば生理周期が安定し、さらに黄体ホルモン(プロゲステロン)の分泌不全が改善されて、子宮内膜の厚さを維持して着床しやすい状態にすることができるのです。

クロミッドやセキソビッド、HMG-HCG療法で排卵誘発されている方は、薬の効果があがりやすくなります。こうなると、治療が二歩三歩前進しますね。

PCOSでお困りの方には、ぜひ鍼灸治療をお試してください。

下垂体の異常、糖質の過剰摂取と不妊の関係については不妊症鍼灸治療チェックポイント~東洋医学的観点から(1)でもご紹介しています。