幸せのコウノトリ治療
不妊症鍼灸治療
症例集
症例6OHSS(卵巣過剰刺激症候群・らんそうかじょうしげきしょうこうぐん)
35歳 主婦
hMG-hCG療法によりOHSS発症。腹痛、腰痛、卵巣肥大などの症状で、歩行すら困難な状態となる。今後、治療のたびに同じ症状になりたくないと言って、転院を期に、友人の紹介で来院される。
初診時、卵巣の反応点である足のツボに激痛あり、卵巣の状態の悪さを物語っていた。
治療と経過
治療は、その卵巣の反応点の痛みを取り除くことを中心に行うが、その他に、盲腸の手術痕の治療、お血、慢性の扁桃腺炎などの治療を同時に行いました。
東洋医学では、卵巣を「腎」、子宮は「肝」というように、五臓に配当されています。卵巣の症状が強く出ているときは、腎臓の経絡を治療する事により症状や機能が驚くほどに回復します。
患者様の場合、過去に盲腸の手術をされていたため、その癒着が顕著に見られました。癒着がある場合は、傷跡を圧迫すると激痛があります。この癒着が子宮、卵巣周囲の状態を悪化させていたと考えられます。このため盲腸術後の癒着を取り除くことも重要な治療でした。盲腸は、五臓では「脾」の疾患です。
鍼灸治療3回目より、肩こりや、普段からあった腰痛が改善された事に患者様は驚いていらっしゃいましたが、原因を治療する事で症状は自然とおさまっていきます。
治療を5回ほどした頃から、卵巣の反応点の激痛が減少しました。ご本人の希望もあり、このタイミングで西洋医学的な治療の再開。
西洋医学的治療はやはり「hMG-hCG療法」でしたが、以前のようなOHSSの症状はほとんど出ず軽い腹痛がある程度で治療が楽に受けられるようになったとの事でした。
その後も鍼灸治療を続け、IVFにて無事妊娠なさいました。
- 治療回数:17回
- 通院期間:約3ヶ月
OHSS 卵巣過剰刺激症候群らんそうかじょうしげきしょうこうぐん
卵巣過剰刺激症候群は通常、体外受精に用いられる排卵誘発剤によって引き起こされます。
卵巣は通常3〜4cmくらいの大きさですが、排卵誘発剤によって卵巣内の卵胞が過剰に刺激され、卵巣が肥大し、腹水や胸水が溜まるなど症状が表れる事を卵巣過剰刺激症候群と呼びます。自覚症状として、腹痛、腹部の張り、吐き気、急な体重増加、尿量の減少などがあります。重症になると様々な合併症を来す場合もあります。