鍼灸治療症例集
症例1後頭部の痛み
20代 女性
一ヶ月前より右後頭部に痛みがあり、脳外科、整形外科など受診し、痛み止めを処方されるが痛みが取れず来院。
所見
脈状は緊・数。腹部の所見はなし。
治療
初診時、首の回旋運動にて後頭部に痛みが増幅してあらわれたため、首のうごきを良くするように鍼をする。
飛陽に鍼を一本のみ刺鍼する。この鍼で回旋時の後頭部の痛みはとれる。
腹部お血、脊椎の側湾があるためそのための処置をして一回目を終了。痛みは当初の10分の2程度に減少。二回目、同前処置をして痛みは無くなる。
以上、2回で一ヶ月間悩まされた痛みは消失する。
考察
一回目の治療の後、患者様はこんなに速く楽になるのか!と、びっくりされていた。今回のような頭痛や後頭部痛は、患部に異常があって痛みをだしている事はきわめて少ない。
むしろ自律神経や内分泌系の異常、腹部お血など、あらゆる状況が重なって症状を出している。
転職や家庭での問題などバランスを崩す原因は様々にあり、血液検査やレントゲン、CTやMRIと言った検査ではなかなか原因がつかめないことが多い。
局所を診て全体を把握する能力がなければ、なかなか治癒につなげる事はできないだろう。
そういう意味では頭痛、偏頭痛は全体を調節する事で、症状がよくなる事が多い疾患であると思う。
頭痛で悩まれているかた、また、治療を受けているかたは、そういう視点で治療をすすめてくれる病院や治療院に行かれる事をお奨めする。
頭痛、偏頭痛、後頭部痛は他の疾患と併発して出る事が多いため、当院で腰痛や生理痛、生理不順の治療をしていたら、いつもの頭痛が出なくなりました。と言うことがよくあります。