鍼灸治療症例集
症例26内臓下垂から来る膝の痛み
60代 女性
足一週間前より急に膝に痛みが出る。歩くのが困難で、階段や自転車に乗るのが非常に困難な状態。来院時は待合室からベットまで歩くのがようやくであった。
所見
膝の関節には腫れや熱感は無い。腹部お血、骨盤内部のうっ血。
治療
腹部のお血を取るために、尺沢とチュウホウに鍼。
膝関節の屈曲制限にたいして、臀部の屈伸穴に鍼。
治療5回目より痛みが少しずつとれる。上記の治療に加え、自律神経やホルモンバをバランスを整える治療を加えながら、20回の治療でほぼ痛みは消失。
現在も月に2回程度、継続治療中。
考察
今回の膝関節痛は膝の関節自体は正常に近い状態で、病院でも骨は問題なし、と言われていた。がしかし、実際に膝は痛い。
今回の痛みの原因は、骨盤部の関節の凝りと、腹部お血が主な原因になっていたと思われる。
こういった場合、患部への注射や痛み止めは一時的に効くが、その後再発を繰り返す事が多い。
原因は腰。そして、腰から足にかけての血流を良くすることが、痛みの改善につながったと思われる。
膝関節や腰から下の症状は、腰の状態を的確に診断し、悪いところが有れば治していく、と言う事を丹念に繰り返していく事が重要である。