鍼灸治療症例集
症例28股関節痛
60代 女性
足二ヶ月ほど前より右股関節痛を発症。病院にてレントゲン、CT、MRI、血液検査などするも原因不明。痛み止めのブロック注射のみの治療をするが、症状改善せず、友人の紹介で来院。
来院時は台所で家事をする事ができない。
所見
脈は遅脈。内臓下垂。腹部お血が著名にある。
極度に骨盤内に落ち込んだ内臓が骨盤内の血流を阻害し、股関節部に痛みを出していると見る。
治療
腹部のお血を取るために、肝臓の経絡の中ホウ、肺の経絡の尺沢。内臓下垂に京門、生辺、大腸兪。気戸。内陰。
上記治療終了後、痛みは消失。帰りの電車は痛みが無く帰ることが出来る。
翌日、痛みはあるが、50パーセントは取れている。
同治療を15回施し、痛みが消失したため治癒とする。
最後の5回の治療は、念のためと言う事で来院されていました。
現在は、痛みが出そうな時に来院されています。
考察
年齢的に内臓を支える靭帯は弱っており、そのために垂れた内臓が骨盤内に落ち込んでいる状態。(この場合、ソケイ部に圧痛があります)
骨盤内は血行が悪く、足に行く神経や血流が阻害されてしまうため、この状態が長く続くと、腰から下には痛みやシビレが出現してくる。腰から上は肩こりなどになります。
今回の場合はこの内臓下垂が顕著にあったため、本症状の原因と見て治療した。