鍼灸治療症例集
症例29お尻から足の付け根にかけての痛み、シビレ
70代 女性
数十年前から続くお尻から足の付け根にかけての痛み、シビレ。
若い頃から股関節から大腿部にかけて痛み、シビレがあり、色々な治療をしている。
今回は、痛みで歩くことも出来ないくらいになってしまい、友人の紹介で来院。
所見
既往歴に尾てい骨骨折があるため、その後遺症と診て治療する。
治療
ソケイ部の痛みを取るために、側臥位で京門の鍼。気戸に10分間置鍼。尾てい骨周囲の反応点に鍼。
1回目の治療後、5割の症状改善。
以後、同処置を5回施し、痛みが消失したため治癒とする。
考察
頑固な神経痛であったが、骨折の後遺症として治療をすすめ、早期治癒にいたった。
色々な病院でレントゲン、CT、MRIなどの精密検査もしたが、原因は老化では?ということだった。
西洋医学的検査で問題が無く、東洋医学的に体を診ていくと、問題点が多く見つけられることが多々ある。
骨折後のこうした後遺症は、見過ごされがちになる。
痛みの原因がどこにあるのか、正確に診察することが大切であると言う事がよくわかる症例でした。