鍼灸治療症例集
症例31掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)
50代 女性
足の裏(かかとから土踏まずあたり)に掌蹠膿疱症を発症。4ヶ月間、皮膚科での治療をするが、いまひとつ治りが悪いため、当院に来院。
所見
腹診にて、糖代謝が悪く、腹部お血がある。
治療
腹部お血を取り除き、糖代謝を良くするために、以下のツボを使った。また、掌蹠膿疱症は免疫機能の弱体化とも関連するため、お灸にて免疫を高める治療をほどこした。
照海、兪府、尺沢、天ユウ、手三里、お臍の周囲反応点、背部脊中穴(皮内鍼)肩グウ、築ヒン(お灸)
5回治療した時点(約40日)で、皮膚のひび割れからの出血はほとんどみられず、裸足であるいてもいたくなくなる。皮膚の乾燥は見られる。
考察
この疾患は、なかなか治癒しずらく、治療期間も長引くことが多い。今回は血糖値を下げる治療と、慢性の扁桃の炎症を取り除くことで、早期改善につながった。
ヘモグロビンA1Cが初診時に比べ、ほぼ正常値近くにまでなった事は患者様ご本人も驚いていたが、糖の代謝が良くなることで、症状の改善が早まった事は間違いないと思う。
患者様に免疫力を高めていただくためのお灸をしていただいた事も付け加えさせていただきます。(毎日のお灸ご苦労様でした)
現在は、ご自宅でのお灸のみしていただいております。