鍼灸治療症例集
症例32慢性関節リウマチ
60代 男性
22年前に発症。以後、投薬、漢方など、あらゆる治療法を試されてきている。3年前リウマチによる左右の股関節の変形で歩行不能になり、人工関節置換術を受け、現在は、歩行が可能な状態。肘関節の熱感と腫れが顕著にある。その他、足、腰、各関節の痛みあり、ご家族の紹介で来院される。
所見
初診時 脈拍95回/分 右魚際の圧痛、左右の然谷の圧痛著名。
治療
以下に使用した経穴をあげる。脈の状態に応じ、使用する経穴を変えながら治療する
関元 大巨 天枢 気海 巨ケツ 小腸兪 ショウカイ、ユフ、曲チ、手三里 天ユウ
一回に使用するのは、6箇所程度。
週に2回のペースで通院、二ヶ月経過した頃より、日常での動きの中で、痛みを感じていた動作が、痛み無く出来るようになる。 肘関節の熱感は比較的落ち着く。
現在、週に1回程度、継続治療中です。
考察
発症から長い年月が経過していたが、脈が正常に落ち着くように治療した事で、少しずつ、関節の痛みが改善していった。継続治療をしていく事で、ある程度の痛みのコントロールができると思う。
また、抗炎症作用のある、副腎皮質ステロイドホルモンの分泌を促進する経穴を使用することは本症の治療に欠かせない治療である。
MT様の場合、腹部にお血が見られなかったのも、痛みの早期改善につながっていると思います。